(中 略)
コーチ: で、社長は何とおっしゃってるんですか? 新規開拓やりたがらない社員
さんに。
社長 : 営業は断られることから始まる。買うか、買わないかは1回行っただけじゃ
わからない。最低10回は訪問しろと言ってるんだよ。
コーチ: そう言われて、社員さんたち、ちゃんと10回訪問してます?
社長 : 日報では行ったことになってるが(笑)、実際には2,3回であきらめてい
るんじゃないかな。
コーチ: どうして、10回訪問できないんでしょうね?
社長 : 気合いが足りないからだよ。今月中に入金がなければ、手形が落ちないとか
この在庫をさばかなきゃ、仕入ができないとか、そんなギリギリの状態で商
売やってたからなぁ、若いときは…
コーチ: 胃に穴があいたり、血の小便が出たり…。
社長 : うん、一度や二度じゃないね。
コーチ: 銀行の支店長に土下座したり…。
社長 : 今でも頭が上がらないよ。助けてもらった。あの人には足を向けて寝られ
ないな。
コーチ: 昔の社長と同じ状況に追い込めば、社員さんたちも売れるようになるんじゃ
ないですかねぇ。
社長 : ………
コーチ: 無理ですよね…。
社長 : ああ、そんな思いまでしなくていいよ…。
コーチ: どうしたら、無理なく新規回りができるようになるんだろう?
社長 : 断られても、気にしなきゃいいんだよ。
コーチ: そうですよね。気にしなければいいんですよね。もっと言えば、断られない
ようにすれば、そもそも気にもならないわけで…。
社長 : 断られないようにする? それなら、商品勧められんだろ。あははっ。
コーチ: あははっ。そうですよね。それなら、何を勧めましょうかね?
社長 : … 人間だな。営業マン個人のこと…。
コーチ: 他には?
社長 : ウチの会社のことも知ってもらわんと…。
コーチ: 商品を売り込んで断られる前に、営業マン個人や会社のことを知ってもらう
には、どうしたらいいんでしょうかね?
社長 : お客さんのところに持って行くものを準備しておいた方がいいかもな。
コーチ: 現状、どんなものがあるんですか?
社長 : 会社案内ぐらいだわ。
コーチ: たしかに、それだけだと、さびしいかもしれませんね。
社長 : ああ、ベテランの営業マンに知恵出してもらうわ。
コーチ: おお、いいですね。どうせなら、若手の方にも参加してもらったら、いい
じゃないですか。
社長 : 情報の共有化ってやつだな。 早速やってみるよ。
コーチ: せっかくですから、社長も入ったらいかがですか? 社長が一緒に考えてく
れたら、社員さんたち、きっと喜ぶと思いますよ。
社長 : うん、わかったよ。